Message from the President
当社は令和2年(2020年)6月18日に創立90周年を迎えることができました。昭和5年(1930年)に九州電力様の前身であります各電炉会社からの要請を受け、創業者 角 佐次郎の決死の覚悟と英断により、九州で初めて加圧式防腐防蟻処理電柱(木柱)の生産工場として創立いたしました。
以来、電気の普及にむけたインフラ整備に貢献するとともに、電柱等の支持物関連保守業務や保安伐採の配電業務委託の会社として電力の安定供給の一役を担い、今日まで電気事業の発展の歴史とともに歩んでまいりました。また昭和16年からは、鉄道用まくら木の生産を開始し、鉄道輸送のインフラ整備にも貢献してまいりました。
配電業務委託の仕事は、停電を防止し予防するための樹木の伐採を中心とした電柱や電線のメンテナンス業務と、非常災害が発生した時の緊急伐採の対応が主な業務です。近年、非常に威力を増した台風そして集中豪雨が九州をはじめ日本列島を毎年のように席巻し、土砂災害や水害による停電が頻発しています。熊本地震の際には電気の供給が寸断される地域が発生し、復旧に数ヶ月もかかる事態となりました。
災害復旧と予防減災の重要性が年々増していく中、当社は伐採作業員37班225名、高所作業車42台(いずれも再委託会社を含む)の体制を常時整えており、台風や大雨・地震によって樹木が電柱や電線に倒壊し停電が発生した場合には、九州各地(離島を含む)はもちろんのこと、九州電力様からの要請があれば全国各地へ伐採班を派遣し、電気の一刻も早い復旧に尽力しております。今後とも安全で安心な作業の徹底を図り、電気の安定供給を通じて人の命を守る使命を果たしていきたいと考えております。
2010年10月1日に「公共建築物木材利用促進法」が施行されました。そして森林環境税の導入も決定され、公共の建物をはじめとする様々な分野にできるだけ木材を使用していくことが国の方針として明確になりました。そしてまたCO2削減による地球温暖化防止を基点とした低炭素社会やSDGs(持続可能な社会)の実現にむけた取組みが世界の共通課題となる中、森林や木材の果たす役割が 益々 重要になってきました。
当社は日本の森林を守るためには「豊富にある国産材を使っていくことが重要」との方針のもと、当社のもつ保存処理の技術や乾燥技 術そして不燃化技術を通して腐れやすく割れやすく燃えやすいという木の持つ弱点を補う、安全安心な人にも地球にもやさしい木材製品を開発し、国産木材の利用の可能性に挑戦してまいりました。
間伐材の利用拡大により日本の森林を守ることを目的に低分子フェノール樹脂注入処理木材「エコアコールウッド」は開発されました。九州農学部林産学科 樋口光夫教授(当時)の基礎研究を基に同教授が組織した産・官・学(九州木材工業、福岡県工業技術センター-インテリア研究所-、九州大学農学部樋口教授)の共同研究により開発され、平成9年に実用化に成功。平成11年から高耐久性木材「エコアコールウッド」として生産販売を開始いたしました。
平成17年に開催された愛知万博に採用されたのを契機に、世界文化遺産「嚴島神社」や国宝「出雲大社」「金沢城」などの重要文化財の材料として、県庁や 市庁舎、学校、幼稚園、美術館などの公共施設及び大型ビルや商業施設の外装材・外構材(カーテンウォール・ルーバー材・軒天材・デッキ材等)の材料として、ウッドデッキや外壁材、格子材、ポーチ柱・土台等の住宅部材として、東屋やベンチ・テーブル・パーゴラ・看板等の景観公園施設製品として、さらには木製ガードレール(C種)やP種転落防止柵、木塀、角材伏工、地盤改良パイルなどの土木用製品として公共から民間まで全国各地で幅広くご利用いただいております。
今後は非住宅建築物における外装・内装の木質化の普及拡大に努め国産木材の需要拡大による日本の森林の保全 、そして持続可能な低炭素社会の実現 に貢献していきたいと考えております。
代表取締役社長 角 博
昭和56年3月 福岡県立筑紫丘高校卒
昭和60年3月 早稲田大学教育学部卒
高校時代からラグビーをはじめ花園全国大会に出場。大学でもラグビー部に所属し昭和59年度の主将を務める。現在、筑紫丘高校ラグビー部のOB会会長兼コーチとして後進の指導に当たる。
所属団体
日本木材防腐工業組合 副理事長
(社)日本木材加工技術協会 九州支部 常任理事
日本木材学会九州支部 評議員
八女木材組合 副理事長
八女商工会議所 常議員
九経連 農林水産委員会 林業部会 事業WG座長
九電商友会理事
これまでの主な団体経歴
日本木材青壮年団体連合会 第47代会長
林野庁木材需要対策中央会議委員
木づかい運動ステアリングコミッティー委員
(社)八女青年会議所 第43代理事長
八女市立福島小学校PTA会長
八女市教育委員会委員
福岡県県産材輸出検討委員会 委員